アメリカ DCセミナーレポート 2008

アメリカ DCセミナーレポート 2008

0806_1_01

5月末〜2日間 要請を頂きアメリカのワシントンDCでセミナーが開催された。 東海岸でのセミナーは初めて、経験者はもちろん道場指導者、軍で指導者の立場にある方、そして昨年の西海岸でのセミナー参加者も遠路このセミナーの為にDCに集まった。
海外セミナーとは
セミナーの撮影と事務方として同行したスタッフの私は、阿吽会発足前の10数年ほかで武術を学んでおり海外の老師など何人かの武術の先生方を拝見する機会を得ていました。

通常の武術セミナーと言うと、型や方法論を学ぶ学習方法が大多数だと思います。 阿吽会のセミナーや教室は、様々な流派を学んでいる人が各々のスタンスで学びに来るのが大きな特徴と言えます。

流派を超えて様々な人が来るのはなぜか

0806_1_02客観的に見て流派を超えていろいろな人が来るのはなぜかを考えると、端的に言えば阿吽会で行っている「身体基盤」は普遍的な共通項を訓練するメソッドである為、です。 掘り下げて練習し考えれば、どのような武術を学んでいても結局「人間」の動きとして普遍的な共通項があり、方法論を沢山学んでも根本となる身体の基盤を作り身体の理/武術の理を理解し訓練しなければ、会得出来ません。

また、特に特徴的と言えるのは、何が必要で、何が自分に足りないのかを自己認識する場としてセミナーに出てくる参加者が多いように見受けられます。
今まで自分が練習してきたスタイルや流派の訓練の意味を深くしたい人が、どうすればいいか自問自答し探求するきっかけとなっているようです。
言いかえれば、阿吽会メソッドの動きを追求し身体使いを学ぶ過程で、それまでやっていたものが、 ”1つの身体使い” として纏まり身体の無駄を認識出来るので、今まで培った物の本質を理解する事が可能になるのです。阿吽会メソッドを自分の物とするには、積み上げて”千変万化”に動くように自分自身を仕立て上げる事が必要であり、さらに深く訓練を続けなくてはいけないと理解してもらうセミナーです。

0806_1_03例えばこのDCセミナーに参加した空軍教官の方は、身体を動かすシステムを研究する過程で、いろいろなアプローチで試しているようでした。
決まったルールの中で競技として戦うのではなく、極度の緊張やストレスを帯びた状況下で戦うシチュエーションで、どのように身体と精神が能動的に処理できるか、阿吽会のシステムを自分はどう生かせるか、しきりに阿久澤代表に尋ていました。

「そのような状況下でも、訓練によって練り上げたものが自然に身体からにじみ出る動きになるように、状況に応じて適応出来、融通のきく身体となるように訓練する必要がある」と、阿久澤代表は多角的なアプローチで参加者が理解出来るように説明され、身体の構造が整った状態の重要性や阿吽メソッドの意味を理解していました。

また道場経営者の方も実際に阿久澤代表に触れ、自分のこれまでの経験と、このセミナーで体験した事を交互に試しながら何度も確認し、納得しているようでした。

知識と理解習得。- 頭と身体 –

体験者の一人が、一時期身体を動かす事が出来なかった為に、それまで培った理解/感覚を頭が知っていても身体が認識しない、頭と身体が全く別物になる奇妙な感覚と、練習により身体が理解していく過程をもう一度追体験する機会を得たそうです。

身体を動す練習の効果は筋肉の発達だけではありません。筋肉と同時に神経系が発達し働きかけるため、動く事は脳と身体の感覚を繋ぐ重要な役目を果たします。練習する事は身体が強くなると同時に身体の細かいニュアンスを脳が感じ取り、繊細かつ緻密さが養われ、新たな気づきを生み出します。
また、鍛錬を続けることで初めてこれまで認識出来なかった身体の部位が理解出来、異なる動きが可能となるため、より解釈が深まるきっかけとなります。

「身体作り」つまり武術体を作ると言う事の中には、身体強化だけでなく頭と身体が共に「複合的な質の転換をする」意味合いが含まれます。理解/認識/会得とは、身体を動かし脳すべて同時に揉むことから初めて見いだせるようです。

先生がよく「自得」と仰いますが、先生がどれほど「路」を示しても、学ぶ側が自らが歩を進めなくては目的地に到達しませんし、段階を踏まなくては先に進まないのは至極当然の理です。
言葉で得た知識と「理解/体得」はイコールでないにも関わらず知識/言葉で満足する事は、最終的には「理解/体得」とは対局の所に行き着きます。

0806_1_04

0806_1_05

阿吽会のメソッドは、自発的に自己と対峙し絶え間なく鍛錬することが必須であると実感しています。

このセミナーではこれまで阿吽会のメソッドを聞き関心を持った方々が参加して下さいました。セミナーが終了後も各々で阿吽会の練習を続ける参加者が多いという事は、セミナーを通じて阿久澤代表が伝えたメッセージやメソッドの意味の一端を感じ取っているからこそだと思います。そして次のステップのセミナーを行える日がそう遠くはないことを期待しています。