サンフランシスコセミナー アメリカ講習会レポート 2007

サンフランシスコセミナー

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サンフランシスコではスタンフォード大学内で阿吽会のセミナーが開催された。

中国武術・日本古流武術・ロシア武術・ムエタイ経験者・現役警察官の方など多様な参加者がいた為、基盤整備の内容に身体や力がどのように運用されていくか「武術への繋ぎ」も説明中に多く織り込みながら進められた。

身体整備と武術

このサンフランシスコセミナーはさまざまな流派のキャリアを持った人々が参加しているため、なぜ阿吽会がスタイルを限定しないでこのようにセミナーを開くのか、まず基盤の”訓練要諦”を最初に説明した。阿吽会の練功と、参加者各々の武術スタイルの特色やシステムとが少し異なる解釈を持ち合わせているという事を、体験しながら理解出来るようにセミナーが進められた。

練習要訣とは簡潔に説明するなら、

1つは 技術・用法等を習得するに当たってのその幹となる訓練とは何か。
2つは形式的な練習方法ではなく 融通性がきく身体の意識や感覚を身に付ける事の重要性。
3つめに身体をまとめ意のままに動かし”術”の真理を理解していくこと。
である。

阿吽会での重要な解釈を説明し、意識的に理解していくように初日は基盤整備を重点的に行った。

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また、このセミナーでは流派等の限定がないので、各参加者から自分の武術スタイルでは 「このように攻撃し相手を制圧するのだ」という意見なども出され、実際に阿吽会のメソッドからの 身体運用ではどのような対処をするかを、阿久澤代表がフリーに身体で示す場面も見られた。

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2日目

一日目の復習と静から動へと繋ぐ練功方を行ったが、、一日目より着実に参加者が変化していた。 これまでのくせを修正しつつ新たな発見を与えていたようだった。

接触訓練で学ぶ内容は、思った以上に深い。相手を崩したりもみ合う事は容易ではあるが、この訓練の目的は倒すことではない。ここから自分の身体の調整を知り、相手との接点から神経の動き、皮一枚の感覚まで調整しなくてはならない。ある程度わかると相手を崩す・わかった気になるという自己満足に陥りがちだ。自己満足は自分の前にある次に進むための大きな壁を見出すことが出来なくなる。身体の奥深くまで調整し、相手と相対した時にも同様の動きを無意識かでコントロール出来るよう身体を作っていく事で接触訓練での意味が繋がっていく。これは容易なものではない。動きの中から自分で気づき考え鍛錬を続けること、体で知覚すること、時間、全てを忍耐強く続ける事が必要だ。

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シアトルセミナー・サンフランシスコセミナー共に、身体の調整を学んだ方からの力の影響が変わった事で基盤の調整がいかに大切かを再認識出来たという声を沢山頂き、反響の大きさに驚かされた。 基盤創作の意味も理解されていた事、このアメリカセミナーでも、”武術の基盤”の根が地中で大きく伸びているように感じられた事は何よりも嬉しいことである。 大きく張った根は、しっかりした幹を育み天に大きく延ばしてゆける。天と地を繋ぐが如く統一された身体を養う事の重要さをアメリカでも理解してただけた事を嬉しく思う。セミナーの経験や出会いから学ばせていただいた事に感謝の意を述べたい。

シアトル アメリカ講習会レポート 2007

アメリカ講習会レポート 2007

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2007年11月アメリカでシアトル・サンフランシスコの2都市で阿吽会のセミナーが開催された。 アメリカでのセミナーは初めてという事もあり、「武術の身体使いでの解釈」を含め、基本的な身体整備を深く認識する内容でのセミナーとなった。

阿吽会の練習体系は

  1. 身体基盤練習 身体を調整し体を武術体に整える
  2. 接触訓練 対人練習を通じて 力の入出力や体の微細な動かし方を知る

1と2が絡み合って武術の身体創作を学び術へとつなげていくシステムとなっている。 (ここで言う身体創作・調整とは「武術体」を作る事が大前提の調整である。)
従い、身体基盤作りを理解するのには1と2の両輪を満遍なく鍛錬する事が必要であるが、2日という限られた時間の中なので調整に関してまず深く理解していただくような構成だ。

シアトルセミナー

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初日はまず身体の知覚(認識)と身体基盤を作り上げる練功をゆっくり始めていく。なれない身体整備に苦しげな表情ながら熱心にセミナーを受けている。 今回のセミナーは特に技術、テクニックのみならず、身体を整える為の基礎訓練に重点を置いた内容である。

シアトルでは、昨年阿吽会の評判を聞き日本に訪れた時に阿吽会の練習に参加した方が、阿久澤代表に触れ、代表の「どこから出されているか感じられない力」を体感し、帰国後自分たちなりに練習を続けていた。日本での体験者の一人は、身体に変な癖もなく肩の無駄な力も抜けている。アメリカに戻ってからも基盤の練習を考えながら非常に熱心に行っていたようだ。久しぶりに会って継続練習しているせいか進歩している事がわかった。

セミナーでは参加者に質問の機会を何度か作ったが、多くの質問が出された。アメリカはこれまでのセミナーの中で質問をする方が最も多いようだ。また、質問する内容から、中にはかなり身体の事を理解している方もいると感じられた。

基盤の訓練方法の意味がはじめは理解しづらいのではとの思いが若干あったのだが、講習会では阿久澤代表が要所要所に練習方法の意味を理解するためのデモンストレーションを交えた説明を行い、実際に手をあわせて体感してもらいながら進めた為、セミナーが進むにつれて理解が深まっていくようであった。 要求を認識して体を動かすことで「身体が理解」し、頭で考え、また身体を動かし理解が深まる。練習の意味は、やはり動いて体で知り理解を深めないと深遠を見出すことは無理だろう。セミナーの休憩時間にも熱心にメモを取る姿も見受けられた。

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一日目の夜、セミナーの参加者の方々が食事会をひらいてくださり、多くの方々と打ち解けて話すことができる良い時間となった。 各々、阿吽会のセミナーに参加したきっかけや学んでいる武術について語ってくれたが、この中で、古流武術指導者の方が、「今までこれほどきちんと教えてくれる人は今までいなかった。考え方もこれまでにない解釈で全てに驚いている」と感想を下さった。 ヨーロッパのセミナーでも同様の意見を頂い

たが、どの国でも参加された方が基盤の鍛錬がなぜ武術に必要かを感じてくださるようだ。

影響しない力・影響する力

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2日目は午前中基盤の練習の復習、午後には接触訓練を行い、対人練習での力の運用を学習した。 シアトルでは身体の大きな参加者が多く、体重が100kgをゆうに超える方も参加していた。

海外の方は東洋人に比べて身体の作りが大きく、普通に考えれば筋力・体重だけを比較しても、小さな身体の私が相手を動かすことは難しい。ところがこの私が、接触の訓練で相手に押され付けられても相手の体を動かすことが出来たのだ。 私を押さえつけることの出来ない参加者の方は、「どうして抑えることが出来ないだけではなく自分が動かされてしまうのか」と不思議で仕方がない様子で、他の参加者にも私と手をあわせてみるように促していた。小さな人間から大きな「力」を感じることがかなりの驚きのようである。

私が接触して受けた感触としては、相手の方は”筋力としての力はとても大きなものだが、全く私に伝わってきていない・影響してこない為に、その大きな力を有効活用していない”のである。 そこで阿久澤代表が参加者に身体の置き方・身体の収め方について説明し身体を修正すると、かなりダイレクトに力が私に伝達されるようになり、ほんの少し正しい整え方を教えただけで大きく違うことも私自身が改めて体感する機会となった。

一般的に分割された部分だけの力では全体的に統一されていないため、思ったより相手に影響を与えることができないものだと感じた。
そしてどんな力であっても、自分に影響しない力は怖くないのだ、とも。

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阿久澤代表と接触した方はよく「どこから力が来るのか、わからない」「自分が力を入れても、抜いても、わからないうちに崩されてしまう」という感想を述べる。 つまり影響させる使い方が重要なのである。私が相手に影響させられると言うことは、普段の練習の中に影響させる為の仕組みがあり、練習を通じて培われていたと言うことを再認識した次第である。

オランダ講習会 4月21・22日

アムステルダムから車で一時間ほど、緑豊かな保養地にある道場に我々は着いた。 日本古武道指導者の道場にて、今回のEU最後のセミナーが行われた。 この講習会では、身体創作に加え新たに棒による身体創作と武術への繋ぎという”総合” 的講習と言える内容で行った。

動の中で肉作りをしてその身体を正すということは姿勢、内部感覚、など全ての要素が複合的に整い成り立つ。

棒を使った練習でも同じ解釈で、棒の技として行わず、身体を認識させる為に利用する。つまり、どのような練習も全ての訓練が身体の中に基準を設けるフレーム鍛錬方法と結びついている。

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かなりハードなメニューであったが、道場経営者の方が自ら先頭に立ち、誰よりも熱心に練習している所は私たちも学ばなくてはならないと思いました。参加者だけでなく、立場に関係なく体感して理解したい・覚えたいという熱意は日本にはなかなか見られない所ではないだろうか。

参加者の中に何人か見た顔の方がいる。昨年のパリセミナーの参加者が今回はオランダで参加しているということだ。

昼食時、片言の英語でこの参加者と会話をした。昨年のパリセミナー以来、一年間自分で自主練習を続けており、また必ず参加したかったということだった。 今回のセミナーでは、海外での講習会参加者が講習会後に基本を復習出来るように、DVDを制作してきたことを伝えると、「ぜひ購入したい」との事。
渡欧前は、どの程度DVD購入者がいるのかと思っていたが、ふたを開けてみるとどこのセミナー会場でも多くの参加者に購入頂き、今回の製作分は全て完売となった。
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このような真摯に練習に取り組む参加者が毎年多く見られることから、講習会後もさらに練習を深められるような受け皿を作りたいという思いが心に芽生えている。 この方も、講習会中も熱心に阿久澤代表に触れ少しでも感じてつかみたいという姿勢が大変印象深かった。

最後に、参加者の方々に今回のEUセミナーの感想を書いていただいた。 短い講習会で言葉や文化の壁もあり、消化不良で終わっているのではと一抹の不安を持っていたのだが、送られてきた感想文を読み、的確に阿吽会のメソッドと意味を理解いただいていることを実感した。

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参加者の声より

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The European Aunkai seminar has once more proven that working the basics is key. Akuzawa is making these basics evermore challenging by explaing the hows and whys of all the details. Once you start to understand this, the basics become more than ‘just the basics’ and Akuzawa is the living example of it. Highly recommended.
(Dirk Crokaert – Belgium – 36 – CMA background : Hung Gar, Shuai Jiao, Taiji, Pakua, Sanda)
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Thoughts on the seminar:
My general undestanding of the Aunkai approach that I formed from the seminar was that:
1) In Aunkai conditioning the body seems to be an important pre-requisite to any martial training. This conditioning is not of a muscular speed/strength/endurance type as advocated in western sports but is of a different kind involving the re-training of a different kind of body movement/co-ordination and connection.
2) In Aunkai techniques arise out of this properly conditioned body moving while maintaining certain principles. This means the teaching focuses on principals and not techniques.
3) In Aunkai there seems to be an emphasis on daily solo training. From my perspective I think this would mean that a student of Aunkai would have to be much more serious and dedicated in their approach than the typical ‘2/3 sessions a week’ type student. This seems to me to be a more honest approach to training as a student can then assess from the start if they have the necessary comitment and mindset to make the practice worthwhile from a body developement perspective (as opposed to just being a ‘social’ event). This approach also seems to be in line with what truly skilled teachers in the past did to rise to a level of high ability.
4) Based on what I saw and felt at the seminar it would seem that the Aunkai approach is a lot more effective than most other approaches at getting students to a level where they can do things that other approaches take many more years to reach (if ever).
5) The system is very well thought out and structured as it seems students are able to find out more and more from the basic exercises (if they practice them with comitment :-)) which means they are then able to help push their own development forward by thinking about what they are doing and feeling. This seems different from the mindset often promoted where students are just told to copy the external forms and hope things will work in 30 years 🙂
6) I would encourage anyone with a serious interest in the development of a ‘martial body’ to train in Aunkai. While most others are concerned with techniques and applications, they are they only organisation I am aware of that openly teaches and focuses on the body as being the foundation and core of any art.
(Andrew Reed- 28- Previous experience: )

ベルギー練習会4月15日/アムステルダム講習会4月17日

ベルギー 練習会 4月15日

0704_02_01アムステルダムへの移動途中、ベルギーに立ち寄り以前東京に住み現在イギリスに留学中の弟子のジェラルドの家に世話になり、拳法指導者の方や空手などを学ぶ方を集めてプライベートレッスンを行った。
他の講習会とは違い個人的なレッスンであったのでアットホームな形で行った。現地で武術の指導をしている参加者は、個々の分野での動きはかなり訓練されていたようだったが、阿久澤代表から受ける感触が始めての感覚であったようで、しきりに驚いていた。

アムステルダム講習会 4月17日

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昨年・今年とパリセミナーに参加しているオランダで合気道や古武道を教えている方より、パリセミナー期間中依頼を受け急遽アムステルダムの道場で講習会を開催することとなった。 急な開催決定であったが、平日の夜にもかかわらず30人以上集まっていただいた。

まず基本のメソッドを行い身体創作の意味を説明しながら行った。
アムステルダム参加者は、経験者と言っても柔術系を学ぶ方々と打撃系を学ぶ方々が参加しているようだった。そこで武術に共通する基盤の部分から、柔術・打撃ともに応用発展し武術への転換を理解していけるように、身体創作・操作から始め、十字法という訓練で身体の中心及び上下の関係・力の多面的な働きを説明・実践した後、力の伝達を理解できるメソッドを中心に講習会を行った。

この力の伝達という解釈は身体のどの部分でも応用が可能で、手だけではなく足等でも同様である。キックというイメージとは意味あいが異なるのを感じていたようだった。

アムステルダムで500人ほどの弟子を持つフルコンタクト空手指導者の方を含めて、打撃系を学んでいる方は、通常このような動作は「蹴り」という概念で腰にタメを作り反動を付けてフルパワーでつきけりを行うことが多いが、そのような動きは体の大きなものや筋力に左右されがちで、また年齢をかさねるごとにパワーが落ち威力が衰える現実に直面する。

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身体の各ジョイントが重要であり、近距離であってもコアからの動きで行う為、相手に影響を与え、かつ、自身の体は保たれたまま変化自在に動くことが可能となってくる。

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その為身体のコアを守り上下繋ぎを保った状態で行う事が大事であることを説明し、さらにミットを使用して各々感覚の違い確認し体感していただいた。 阿久澤代表の力の伝達を体感した空手経験者の方は、小さな動きであるにもかかわらず、受けた力の感触が通常のものと異質であると話していた。

わずか2〜3時間という短い機会の中であったが有意義な時間となった。

そして車で最後の講習会開催地へと移動した。(次ページへ続く>>)

フランスセミナーレポート【フランス・アムステルダム・オランダ講習会】

昨年2月開催されたEUセミナー後、阿吽メソッドをより深く学びたいとの要請を受け、2007年4月昨年のセミナー開催地であるパリとオランダの2カ国にて、講習会が開催されることとなった。
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昨年はEUで初めての講習会であった。今年は昨年のセミナーに参加して阿吽会のメソッドを体験し理解している方がいるため、基盤の部分をさらに深く掘り下げて理解していただくことが出来た。セミナー開催地によって参加者の層が異なっていた為、講習会は「身体基盤」を軸としながら参加者に合わせて 内容をやや変えて行った。

また今回のセミナーでは、阿久澤代表と運営スタッフ以外に、日本から阿吽会の会員3名がパリセミナーに参加した。

パリセミナーの様子は阿吽会会員の参加レポートよりご紹介します。

フランス講習会 4月12・13日

はじめに

私は阿吽会に入門して2年経つ。その間、武術クラスには多くの体験希望者がクラスに参加して来ました。 阿吽会で最も特徴的な事は阿吽会員を含めて外国人の訪問者が多い事です。

「何故、阿吽会の練習は外国人に受け入れられるのか」と漠然と思っていた矢先、去年に引き続き2回目のフランス、そしてオランダとセミナーの依頼が来たと先生から伺い、これは自分も行かなくては!と、勢いに任せ急きょ職場にお願して休暇を頂き、ヨーロッパセミナーに参加する事となりました。

0704_02私は休暇の都合上フランスセミナーしか参加する事が出来なかった為、今回私が体感したフランスでのセミナーの様子会場の雰囲気など紹介して行きたいと思います。

パリ中心部から地下鉄で約20〜30分そこから徒歩10分程度、マットと板の間両方のスペースのある理想的な道場で行われました。

想定外だったのは4月中旬とは思えぬ真夏のような暑さ。道場内にいるだけで汗ばんできます。

2日間を通して行われた内容は、武術クラスにおける基本コア訓練。身体の構造を認識する為のフレーム作り、さらにフレームを通して体の理合を説明して理解した後、対人との訓練でその運用法を学んでいくというセミナーです。 先生が各練功の要点、要求を事細かく解説・実演し、それを英語、フランス語に通訳していく流れで進行していきました。

1日目

阿吽会で最も重要視されている構造フレームの認識。セミナーでは、どれも体の土台を作り、上下前後左右をつなぎ、身体の収まる場所を探し学んでいく意味があります。 私レベルでの解釈ではこれ位の説明しか出来ませんが、その要求はより繊細で複雑です。 先生が常に要求している通りに行おうとすると、肉体的に辛いのは勿論だが、大変な脳疲労に襲われます。

1日目は集中的にこの基盤作りに時間が費やされました。練功中、参加者は皆身体を震わせ相当辛そうでした。しかし、誰もやめることなく一生懸命行っている姿にそこから何かを得たいと言う姿勢が感じられました。 先生が各参加者を見て回り、それぞれの体の置き方や収め方を丁寧に指導していきます。そうすると不思議と彼らの立ち位置が良い所に収まり心地良い表情に変わっていく姿が印象的でした。
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昨年と今年の2回目の参加者もいると言うことで、参加者は先生の武術的解釈が一般の物とは全く違うと言う事を何となく理解している感じでした。しかし、それは漠然とした理解のようです。その為、よりイメージを持って頂けるように先生は各基本を練り上げていくと、どんな動きの応用が出来るかを随所に実践して下さった。

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一つの例ですが、相手に好きに突きや蹴りをさせて相手の力を包み込むように吸収し、相手を誘導し崩していくかと思えば、雷が大地に落ちたかのような衝撃で一瞬にて相手を崩してしまう。千変万化の動きとは正にこの事です。 しかし、いくら外側からデモを見ても、内側が理解出来ていなければ本質的には分からないと思います。

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色々な変化を見せるのはセミナー的にも華やかだし見ている側も変に満足してしまいますが、参加者は先生の表面的な動きだけに関心が行ってしまい本来先生が伝いたい武術的解釈が伝わらなくなってしまう恐れが十分にあります。 武術以外でもそうだが、教える側と習う側の共通認識が無いと全く違う解釈に変わってしまう。先生はセミナー中、参加者が表面にとらわれること無く本質を学ぶように、その当りを常に注意しながら指導していらっしゃいました。

2日目

昨日の復習と別の単練功・動きの訓練の後、2日目後半は接触訓練(剛柔の法等)の流れで行われました。

私自身、全く知らない人々と手合わせした時、どの位自分の軸・身体を正し続ける事が出来るかが課題の一つだったので、楽しみであり少し緊張感のある練習でした。

案の定外国の方は骨格が大きくかなり自分の体勢を維持させるのに苦労しました。 しかし、私が苦労している190cmあるような彼らも、先生と手合わせすると気付かない間に崩され、ただ苦笑いするだけでした。先生と手を合せると独特な圧力があり、何かが全身にまとわりついてくる感じです。そして時既に遅し、気づくと自分の重心は先生のコントロール下に置かれています。

もちろん単に押し引きあいではなく中途半端な結果に拘ってしまうと、練習の意図している所とかけ離れてしまう。本来、武術ではこの様な展開はありません。しかしその本質を理解する為に、あえて設定を作り、その中で基本功で培った物を練り、相手との空間や力の出所を感じ、お互いに理解を深めていかなくてはなりません。その為非常に繊細で工夫のいる訓練だと説明され、参加者も納得していました。 以上が私がフランスセミナーに参加して特に印象に残った内容です。

普段の教室での練習と別の視点から先生の動きを見、学べた出来た事で、新たな気付きも多く、大変密度の濃い2日間でした。

最後に

私が大変刺激を受け事があります。それは参加者達の先生から何かを得たいと言う貪欲な姿勢です。先生がある参加者にアドバイスを送っていると皆練習を止め、先生の所に自然と集まってくる光景をよく目にしました。ある参加者に何故セミナーに参加したのか質問してみたら、彼は今回2回目の参加だったそうだが、先生の解釈、教え方は今まで経験して来た武術には全く無い発想で、初めてのセミナー以降動きが全く変わったから今回も参加したと言っていました。彼以外の参加者も同じような事を言っており、阿吽メソッドの素晴らしさを再認識しました。

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今回のフランスセミナーでの経験を通じて、何故阿吽会に海外から多くの体験希望者が来るのかが分かった気がしました。この合理的で削ぎ落とされた先生の武術的解釈が外国の方々に受け入れられる理由だと思います。

フランスセミナーでの貴重な経験は、自分の中にあった色々な囚われを取り除くのにとても良い機会でした。今後もこの感覚を維持しながら阿吽メンバーと切琢磨して今以上に進化出来るよう精進して行きたいと思う。

(渡辺 学/阿吽会 武術クラス会員)

フランスセミナーを終え、阿久澤代表とスタッフは主催者エド邸を後にし、ベルギーへと向かった。(次ページへ続く>>)