フランスセミナーレポート【フランス・アムステルダム・オランダ講習会】

昨年2月開催されたEUセミナー後、阿吽メソッドをより深く学びたいとの要請を受け、2007年4月昨年のセミナー開催地であるパリとオランダの2カ国にて、講習会が開催されることとなった。
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昨年はEUで初めての講習会であった。今年は昨年のセミナーに参加して阿吽会のメソッドを体験し理解している方がいるため、基盤の部分をさらに深く掘り下げて理解していただくことが出来た。セミナー開催地によって参加者の層が異なっていた為、講習会は「身体基盤」を軸としながら参加者に合わせて 内容をやや変えて行った。

また今回のセミナーでは、阿久澤代表と運営スタッフ以外に、日本から阿吽会の会員3名がパリセミナーに参加した。

パリセミナーの様子は阿吽会会員の参加レポートよりご紹介します。

フランス講習会 4月12・13日

はじめに

私は阿吽会に入門して2年経つ。その間、武術クラスには多くの体験希望者がクラスに参加して来ました。 阿吽会で最も特徴的な事は阿吽会員を含めて外国人の訪問者が多い事です。

「何故、阿吽会の練習は外国人に受け入れられるのか」と漠然と思っていた矢先、去年に引き続き2回目のフランス、そしてオランダとセミナーの依頼が来たと先生から伺い、これは自分も行かなくては!と、勢いに任せ急きょ職場にお願して休暇を頂き、ヨーロッパセミナーに参加する事となりました。

0704_02私は休暇の都合上フランスセミナーしか参加する事が出来なかった為、今回私が体感したフランスでのセミナーの様子会場の雰囲気など紹介して行きたいと思います。

パリ中心部から地下鉄で約20〜30分そこから徒歩10分程度、マットと板の間両方のスペースのある理想的な道場で行われました。

想定外だったのは4月中旬とは思えぬ真夏のような暑さ。道場内にいるだけで汗ばんできます。

2日間を通して行われた内容は、武術クラスにおける基本コア訓練。身体の構造を認識する為のフレーム作り、さらにフレームを通して体の理合を説明して理解した後、対人との訓練でその運用法を学んでいくというセミナーです。 先生が各練功の要点、要求を事細かく解説・実演し、それを英語、フランス語に通訳していく流れで進行していきました。

1日目

阿吽会で最も重要視されている構造フレームの認識。セミナーでは、どれも体の土台を作り、上下前後左右をつなぎ、身体の収まる場所を探し学んでいく意味があります。 私レベルでの解釈ではこれ位の説明しか出来ませんが、その要求はより繊細で複雑です。 先生が常に要求している通りに行おうとすると、肉体的に辛いのは勿論だが、大変な脳疲労に襲われます。

1日目は集中的にこの基盤作りに時間が費やされました。練功中、参加者は皆身体を震わせ相当辛そうでした。しかし、誰もやめることなく一生懸命行っている姿にそこから何かを得たいと言う姿勢が感じられました。 先生が各参加者を見て回り、それぞれの体の置き方や収め方を丁寧に指導していきます。そうすると不思議と彼らの立ち位置が良い所に収まり心地良い表情に変わっていく姿が印象的でした。
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昨年と今年の2回目の参加者もいると言うことで、参加者は先生の武術的解釈が一般の物とは全く違うと言う事を何となく理解している感じでした。しかし、それは漠然とした理解のようです。その為、よりイメージを持って頂けるように先生は各基本を練り上げていくと、どんな動きの応用が出来るかを随所に実践して下さった。

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一つの例ですが、相手に好きに突きや蹴りをさせて相手の力を包み込むように吸収し、相手を誘導し崩していくかと思えば、雷が大地に落ちたかのような衝撃で一瞬にて相手を崩してしまう。千変万化の動きとは正にこの事です。 しかし、いくら外側からデモを見ても、内側が理解出来ていなければ本質的には分からないと思います。

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色々な変化を見せるのはセミナー的にも華やかだし見ている側も変に満足してしまいますが、参加者は先生の表面的な動きだけに関心が行ってしまい本来先生が伝いたい武術的解釈が伝わらなくなってしまう恐れが十分にあります。 武術以外でもそうだが、教える側と習う側の共通認識が無いと全く違う解釈に変わってしまう。先生はセミナー中、参加者が表面にとらわれること無く本質を学ぶように、その当りを常に注意しながら指導していらっしゃいました。

2日目

昨日の復習と別の単練功・動きの訓練の後、2日目後半は接触訓練(剛柔の法等)の流れで行われました。

私自身、全く知らない人々と手合わせした時、どの位自分の軸・身体を正し続ける事が出来るかが課題の一つだったので、楽しみであり少し緊張感のある練習でした。

案の定外国の方は骨格が大きくかなり自分の体勢を維持させるのに苦労しました。 しかし、私が苦労している190cmあるような彼らも、先生と手合わせすると気付かない間に崩され、ただ苦笑いするだけでした。先生と手を合せると独特な圧力があり、何かが全身にまとわりついてくる感じです。そして時既に遅し、気づくと自分の重心は先生のコントロール下に置かれています。

もちろん単に押し引きあいではなく中途半端な結果に拘ってしまうと、練習の意図している所とかけ離れてしまう。本来、武術ではこの様な展開はありません。しかしその本質を理解する為に、あえて設定を作り、その中で基本功で培った物を練り、相手との空間や力の出所を感じ、お互いに理解を深めていかなくてはなりません。その為非常に繊細で工夫のいる訓練だと説明され、参加者も納得していました。 以上が私がフランスセミナーに参加して特に印象に残った内容です。

普段の教室での練習と別の視点から先生の動きを見、学べた出来た事で、新たな気付きも多く、大変密度の濃い2日間でした。

最後に

私が大変刺激を受け事があります。それは参加者達の先生から何かを得たいと言う貪欲な姿勢です。先生がある参加者にアドバイスを送っていると皆練習を止め、先生の所に自然と集まってくる光景をよく目にしました。ある参加者に何故セミナーに参加したのか質問してみたら、彼は今回2回目の参加だったそうだが、先生の解釈、教え方は今まで経験して来た武術には全く無い発想で、初めてのセミナー以降動きが全く変わったから今回も参加したと言っていました。彼以外の参加者も同じような事を言っており、阿吽メソッドの素晴らしさを再認識しました。

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今回のフランスセミナーでの経験を通じて、何故阿吽会に海外から多くの体験希望者が来るのかが分かった気がしました。この合理的で削ぎ落とされた先生の武術的解釈が外国の方々に受け入れられる理由だと思います。

フランスセミナーでの貴重な経験は、自分の中にあった色々な囚われを取り除くのにとても良い機会でした。今後もこの感覚を維持しながら阿吽メンバーと切琢磨して今以上に進化出来るよう精進して行きたいと思う。

(渡辺 学/阿吽会 武術クラス会員)

フランスセミナーを終え、阿久澤代表とスタッフは主催者エド邸を後にし、ベルギーへと向かった。(次ページへ続く>>)